トップページにもどる | サイトマップ | お問い合わせ 

 

沖縄市長 東門美津子 記者会見資料20071205

私は市長就任以来、東部海浜開発事業は最重要な事項として、これまで事業のあり方やその方向性について熟慮を重ね、慎重に検討を行ってまいりました。そして、事業はどうあるべきかを今年中には判断したいとのことを申し上げましたが、本日、市民の皆様に私の考え方をご説明させていただくことと致しました。


 ご承知のとおり、東部海浜開発計画は20年余にわたり沖縄市の発展に向けた一大プロジェクトとして進められてきました。この計画は、市面積の約36%が基地に提 供されていることから生じる市民の間にある閉塞感を解消し、国際交流リゾート拠点として中部の中核都市にふさわしい、活気ある沖縄市を築くことをめざして進められてきました。
 当初の陸続きの埋め立て計画は、干潟を残したいという泡瀬地域住民の意向を踏まえ、出島方式に変更されました。それと共に、国・県が沖縄振興開発計画に位置づけられた中城湾港新港地区の航路・泊地を漢漬する際に必要となる土砂の処分場を確保することが沖縄市の計画と合致し、国・県の埋め立て事業と一体となって沖縄市の事業は進められることになり、長年の計画は実現に向けて大きく動き出しました。
 しかし、一方において、社会経済情勢の変動や地球環境への関心が高まるなか、海浜を埋め立てる開発のあり方を疑問視する声も起こり、自然環境を守ることや土地利用に関する疑問、過大な市財政負担を懸念する市民が、計画への反対を訴えてきています。


 事業に賛成する市民と反対する市民の対立が続くなか、私は昨年の市長選挙において、東部海浜開発事業はすでに工事が着手されながら、なお市民の賛否が分かれていることから、市の経済活動や自然環境など、事業に関する全ての情報を公開し、また今後の事業についてどうあるべきかの結論を出すため、経済や環境問題の専門家と市民代表による検討委員会の設置をお約束いたしました。
  そのようなことから、昨年12月に「東部海浜開発事業検討会議」を発足いたしました。検討会議は公開を原則とし、毎回の会議終了後に内容をまとめたレポートを各自治会に配布すると共に、市の広報やホームページヘ掲載するなど市民への情報提供を行い、13回の会議を経て、去る7月30日に検討会議から各委員の意見レポートを提出していただきました。

 各委員からは「社会経済情勢を踏まえ、経済活性化に寄与する土地利用計画の見直し」や「多くの市民が主体的に参画できるような積極的な情報の周知」、「沖縄市の将来のために十分な議論による合意形成の必要性」、そして、「環境との調和・共生をどう図るかの話し合いが必要」など、多角的視野からの意見提案がなされました。
また、検討会議の報告後は、庁内での検討や各団体、有識者等の方々からの意見聴取など、できるだけ多様な立場からの見解を伺ってまいりました。


 私は、検討会議の報告をしっかり受け止め、さらに、多くの方々のご意見を伺い、市長として沖縄市の将来を見据え、市民の納得のいく結論を出したいとの思いを強くしながらも、長い年月を経てきた事業の現実に、改めて判断の難しさを認識せざるを得ませんでした。
 しかしながら、難しい判断であるからこそ、今、市長としてこの事業の方向性を示すためにリーダーシップを取ることが、もっとも大事なことだと考えています。


総合的に判断するにあたっては、東部海浜開発事業検討会議からの報告を踏まえて、東部海浜開発事業が「沖縄市の経済発展につながるのか」また、「干潟等の自然環境は守れるのか」という観点を基本に据えて検討してまいりました。
 さらに、当該事業は、計画が相当な年月を経て、国・県・市の三者が関わってスタートしていることに加え、すでにエ辛が着手されていることも踏まえながら、計画を見直さなければならないと考えています。


その判断要素として、
  一つ目には、将来における市の活性化や財政負担についてです。
それは、市財政が厳しさを増すなか、新たな公共事業の展開が、将来において市の活性化につながるのか、また、財政を逼迫させる要因にならないかと指摘する声があるということ。


 二つ目に、干潟等の自然環境への影響です。このことについては干潟が広がる海浜環境は、将来において残していくべき貴重な財産であるとの認識から、埋め立てにより干潟を含む生態系への影響を懸念する声があるということ。


 三つ目に、保安水域における共同使用の件については、泡瀬通信施設にかかる一部保安水域において埋め立てられる部分が、新たな基地として米軍に提供されると共に、共同使用により、土地利用の制約が生じるということ。


 以上の視点を重視致しました。


 その結果、まず、第一区域については、環境などへの影響も指摘されていることは承知していますが、エ事の進捗状況からみて、今はむしろ沖縄市の経済活性化へつなげるため、今後の社会経済状況を見据えた土地利用計画の見直しを前提に推進せざるを得ないと判断致しました。


 次に、事業着手前である第二区域の現行計画については、その約3 分の1が保安水域にかかることから新たな基地の提供になりうると共に土地利用に制約が生じることや、クビレミドロが当該保安水域に生息していること、また、残余の部分は大半が干潟にかかる中で、環境へのさらなる配慮が求められることから、推進は困難と判断致しました。
 しかしながら、第一区域へのアクセスや干潟の保全など、国・県と協力して解決しなければならない課題があることから、第二区域については、具体的な計画の見直しが必要と考えています。


 この判断を今後有効に展開していくには、現在の土地利用計画については市民参画による見直し、国・県と事務協議を重ねることにより、法的手続き及び技術的な計画の変更等が必要になってまいります。
 また、将来における市財政の負担軽減については、国及び県に対し土地利用への参画・支援を強く要望し、土地利用の円滑な推進により、地域経済の活性化を図るよう努めてまいります。
  そのためには、当該地域にふさわしい海を生かした沖縄市の活性化を担う土地利用を図ることは言うまでもなく、時代のニーズに応えうる計画へと見直すことがもっとも重要であり、市は主体的に見直し作業に取り組んでまいります。


 なお、当該事業の実施においては、国・県が環境への細心の配慮に努めていることは一定の評価ができるものですが、さらに、今後とも貴重種・希少種の保護や持続可能な環境保全へ向けた親水性・自然工法の推進など、国・県のなお一層の取り組みに、沖縄市としても積極的に働きかけていくととともに、自らも泡瀬干潟の環境保全のために取り組んでまいります。

 以上申し上げましたが、極めて重要な判断を迫られるなか、私は、市政を預かる者として、厳しい状況下にあることを十分認識しながらも、この事業の方向性を示すことが、市民の信頼と期待に応えることであり、市民と力を合わせて沖縄市の未来を築き上げることに蓮進しなければならないと考えています。


 私は、市民と共に可能性に満ちた沖縄市の未来への第一歩を踏み出すために、決意を新たにしているところであり、市民の皆様には特段のご理解を賜りますよう、重ねてお願いを申し上げます。


 終わりに、市民の皆様をはじめご尽力を賜りました東部海浜開発事業検討会議の委員の皆様、また、多くのご意見を賜りました各団体、沖縄市議会議員、その他関係者の皆様に対し、心から深く感謝申し上げますと共に、今後は希望に満ちた新しい沖縄市の実現に、より一層のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げ、私の当該事業に関する判断とさせて頂きます。



沖縄タイムス 20071205 夕刊 一部抜粋
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200712051700_01.html

2007年12月5日(水) 夕刊 1面

泡瀬埋め立て第2区域は推進困難/沖縄市長
【沖縄】中城湾港泡瀬沖合を埋め立てる「東部海浜開発事業」について、東門美津子沖縄市長は五日午後、臨時庁議を開き、「第一区域の工事は現行通り進める。土地利用計画は見直す。第二区域については推進は困難。具体的計画の見直しが必要」との方針を市幹部に伝えた。同日中に市議会議員に説明した後、記者会見を開いて正式発表する。
市はこれまでに、「第一区域(約九十六ヘクタール)は工事が進んでおり、中止は難しい」などと判断。宿泊六施設が予定されている土地利用計画についても、バブル期の一九九二年調査を基に推計されたことから今後、時代に合った見直しを検討するとしていた。二〇一三年ごろ着工予定の第二区域については、一部が米軍泡瀬通信施設の保安水域にかかり、絶滅危惧種の生息地が含まれることから、人工島の変更や中止も含めて県や国と調整が残るとして、最終結論は市幹部や市議会の与党議員にも伝えていなかった。東門市長は、市議会十二月定例会が始まる六日までに、全市議三十人に説明する考えを示していた。

 東門市長は、推進と中止で市民の意見が割れる同事業について「市民にすべての情報を公開し、市民の声を聞いて判断する」と公約に掲げ、〇六年四月市長選で推進派候補を破って当選した。

 就任後は、公募で選んだ市民と学識経験者で組織する東部海浜開発事業検討会議を設置。今年七月には同会議から埋め立て後の企業立地の見込みや環境問題などを精査した報告書を受け取り、「判断材料にして年内に結論を出す」としていた。


琉球新報 20071205 夕刊
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-29508-storytopic-3.html

沖縄市、1区容認決定 泡瀬埋め立て
  【沖縄】沖縄市東部海浜開発(中城湾港泡瀬沖合埋め立て)事業について、沖縄市は5日午後、臨時庁議を開き、第1区域の埋め立てを容認した上で、土地利用計画の見直しを国などに求めるとの方針を正式に決定した。東門美津子市長が同日午後に市議会与党連絡会議を開き、野党にも説明した後で記者会見する。事業規模の変更(第2区域の中止や縮小)を事業主の国、県に求めることを念頭に、土地利用計画を見直すことも表明するとみられる。
  当初は11月30日に発表する予定だったが、東門市長が風邪をひいたため決定が遅れていた。
  市は第1区域について外周に相当する護岸が2007年度に完成するなど事業が進行しており、市単独の判断で中止を求めることは困難として、容認する方針を決めている。一方で1995年に市が決定した土地利用計画については、東部海浜開発事業検討会議から収益性などに疑問が示されており、市民参画による見直しを進める。その結果によっては第2区域の中止や縮小を国、県に求めていく方針。
  第2区域は米軍泡瀬通信施設保安水域と一部重なるため土地利用の制約が大きいほか、干潟の大部分とも重なり、貴重種の海藻クビレミドロの生息域でもあることから、市は環境への影響を懸念している。
  市は6日に開会する市議会12月定例会が混乱するのを避けるため、定例会前に発表する方針を固めていた。東門市長の体調が回復するのを見極め、調整を進めていた。

Copyright(c) 2007 一休さんプロジェクト. All rights reserved.